2010年02月06日(土)

恋愛依存症〜恋愛のサイクルから抜け出す〜 [様々な依存症]

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マネージャーの石山です。
ついこの間、2010年を迎えたばかりだと思っていたら、
あっという間に2月も半ばになりました。
今年も企画盛りだくさんのFCCNなので、きっとこの2010年もマッハの早さなのだろうと思いますが、
ワクワクの気持ちでいっぱいです。
引き続き、いろんな学びや素敵な出会いをたくさん経験し、さらに自分を磨いていこうと思います。


さて、2010年初のトピックは昨年に引き続き
「恋愛依存症」についてお伝えしようと思います。
またまた、かなり時間が経過しているので、以前の記事を読み返しながら
今回のトピックを読んで頂けるとよろしいかと思います。

参考図書は、伊東 明氏の「恋愛依存症」(講談社α文庫)です。

これまで「恋愛依存症」について
・「特徴と恋愛パターン」
・「共依存と回避依存」
・「共依存症者と回避依存症者の恋愛サイクル」
という3つのテーマでお伝えしてきました。

そこで今回は、この「恋愛のサイクルから抜け出す」ということを
テーマにしてみたいと思います。


「共依存症」からの回復には、かなり困難な道のりでとても長い時間がかかります。
様々な関連本を読んだり、自助グループなどの安全な場で自身を語ったり、
仲間の話を聴いたりすることで、理解したり、自分を振り返ったり、
また健全なパターンを実践してみたり、カウンセリングやセラピーなど
専門家からのサポートを受け、この問題を扱っていくこともひとつの方法でしょうね。

私自身も全く自覚がない筋金入りの共依存でしたが、本当に生きづらいと
自覚したのが今から約10年前、それからは関連本を読んだり、自助グループに参加したり、
セラピーやワークショップといった専門家からのサポートも受けました。
少しずつ自分なりのペースで、問題に向き合い過去の傷を癒す作業を続けてきて
現在は自分を大切にする選択や、危険な関係や場所からは逃げたり距離をとるといった
選択や行動ができるようになりました。

もちろんこれからもずっと自分をケアしていきますけどね^^


さて、著者の伊東明氏は、共依存的恋愛から抜け出し「どうすれば、
より幸福な恋愛へと向かえるのか?」という点に限っては、次の3つのキーワードが
必ず役に立つとおっしゃっています。
この3つのキーワードが、自分自身と戦うための武器になるそうですよ。
では、そのキーワードについて見ていきましょう。


まず1つ目は「安定」というキーワードです。

「この恋愛パターン(共依存的恋愛)から抜け出したいと思っているのに、抜け出せない」

共依存的恋愛を繰り返している多くの人が感じていることだと思います。
私も、今までにいくつかの恋愛を経験してきましたが
毎回このような思いを感じてきました。

では、なぜ「抜け出したいのに抜け出せない」のでしょう?
人は恋愛に限らず、これまで経験したことがないことを経験することに、
少なからず不安や恐怖を感じると思います。

例えば、親子関係・家族関係の中で、生き残るための役割として身に付けてきた
人との関わり方のパターンや、自分が得意としたり、自分が唯一知っている方法
または一番慣れ親しんだ安心できるやり方、更には多少の不利益を被ったとしても
一応は生き残ることを成功させたパターンの中にいる時、人は最も「安定」できると
著者は言っています。

これを恋愛に置き換えても、同じことが言えるそうです。
共依存的恋愛パターンしか経験したことがなく、その恋愛の一部で辛いと感じる
ことがあったとしても、他の恋愛の形を知らないし、無意識で他の恋愛パターンを
試してみるのが怖いと思っているのだそうです。

ですから、表層意識では「抜け出したい」と思っていても、無意識では
「そうそう、この関係が私にとって一番安心できる関係なのよね」と思っていたり、
人からのアドバイスや本やテレビなどの情報媒体をもとに何か新しいことをやろうとしても、
「やっぱり今のままでいいや」と元に戻ってしまい、結局は自分自身が辛い恋を望んでいて、
他の人から見て「えっ?」と思うようなものでも、自分にとって辛い恋が一番安心できたり
最も居心地よいと感じる愛の形なのだそうです。

むむぅぅぅ 振り返ってみると、私自身もよく友人から
「もう、そんな人とは別れたほうがいいよ」といわれることが多く
友人に理解してもらえなかった経験があります。
その時は全く気付いていなかったけど、今なら自分に「おいっ」と
ツッコミ入れたくなるような関係でした・・・(苦笑)

このようなことを認めることはとても苦しいことだけれど、それを認めることから
すべてが始まると著者は言っています。



次に2つめのキーワードは「再挑戦」です。

過去(特に子ども時代の親子関係)の場面を再現したいという欲求を「反復強迫」
と呼びますが、「安定」の要因だけではなく、過去をやり直したい、
過去の過ちを正したいという「再挑戦」の要因があると言われています。
特に共依存症者の場合は、過去の傷が大きいがゆえに
その欲求も強迫的といえるほど強いそうです。

過去にやり残してしまったことをやり遂げるために、そして、自分が親から貰えなかった
最も欲していることを得ようとして、わざわざ自分を苦しめたはずの親に似た相手を
選んでしまうそうです。

例えば、アルコール依存症の父親を持つ女性がいたとして、
父親のアルコールの問題のせいで家族が混乱状態に陥っていたり
子どもとして得られるはずであった父からの愛情も十分でなかったとすると
この女性が最も欲しているものは、父のお酒をやめさせて、家族に平和をもたらし
父からの愛情を十分に得ることが、その女性の人生において、最もやらなければならない
本当の仕事ということになるでしょう。
その仕事をやり遂げるためには、相手のとなる人が「いい人」ではダメで
親と同じような人間でなければならない。

更にもう1つ例を挙げると、父親と母親のコミュニケーションが機能しておらず
親密な夫婦関係が築かれていないと、本来夫に向けるもろもろのことを母親は
いちばん身近に存在する子どもに、愚痴や不満として垂れ流ししてしまい、
子どもは「親の苦しみ=自分の苦しみ」ととらえ、「僕が何とかしなくちゃ」という
気持ちになり、自分の感情や欲求は後回しにして、親のことを優先するようになると
言われています
子ども時代における自分と母親との関係を再現し、過去に母を救えなかった無力感や
罪悪感を克服するために、
「今度こそはうまくやって見せる」と
恋人に象徴された母親を救うべく、母親に似た相手を選ぶといったこともあるそうです。


ただし、親子関係やアダルトチルドレンの話で危険なのは、
「そうか、親が諸悪の根源だったのか」と
親への憎しみを募らせたり、過去や親子関係を自己憐憫の道具にしてしまうと、
ますますワナにはまっていくだけで、心理的にさらに親に取り込まれたり
より一層親の影響を受け続けることになるそうです。

確かに、親との関係性による影響は人間関係や恋愛関係など様々な場面で現れてくるので、
とても厄介だし親を恨みたくなる気持ちが湧いてくるのも当然かもしれません。
私自身も気づき始めの頃は、親に対して感じたことのない怒りや憎しみが湧いて
それをコントロールすることがとても難しいと感じる時期がありました。
でも自分の人生は自分のためのものですから、
これから先、自分はどう生きていくか、
又はどんな人生にしたいのか、
そのために自分には何が必要なのかなど
自分の人生に責任を持って選択したり行動することが大切なのだと思います。


では次に3つ目のキーワード「アッパーリミット」です。

「幸せに耐えられない」

この言葉に対しては、深く共鳴できる人と全く理解できないという両極端に
分かれるそうですが、みなさんはいかがですか?
ちなみに私は、あまりに幸せだと居心地が悪くて、
「こんな幸せは長くは続かない」とも思っていたので
幸せがなくなる前に自分から壊してしまったほうが気が楽だと思い、
自ら幸せを壊す「幸せハカイダーさおり」でした(笑)

実は、私が初めてセラピーを受けるきっかけとなったのが、この問題でした。
数年前まで「幸せ破壊スイッチ」を持っている事を知らず
頻繁にスイッチオンになっていました(笑)
今でもスイッチ自体はありますが、すぐにスイッチオンにはならなくなりました。

話がそれましたが
「人それぞれ耐えられる不幸のレベルがある」という話は誰もがうなずいてくれるけど、
「人それぞれ耐えられる幸福のレベルがある」という話に関してはそうではないと
著者は言っています。
みなさんも、とても幸福な気分でいた時に、突然何かしら嫌な考えが浮かんできて
先ほどの幸せ気分はどこへやら、といった経験はありませんか?
たとえば、恋人と楽しくデートをしている時に
「こんな幸せがいつまで続くんだろうか?」
と突然不安に襲われるなどです。

何事にも「波」というものがあって、いい気分を長続きさせないようなプログラムが
私たちの中には存在しているらしいのです。


この3つ目のキーワードの「アッパーリミット」というのは、
幸福の増加を制限する心の作用のことを言うそうです。
幸せという気持ちが高まっていったときに、その人のアッパーリミットを越えてしまうと
その幸福感を下げるような働きが自然になされるのだそうです。
恋愛であれば、楽しいデートの最中、突然ケンカをふっかけるようなことを言ってみたり
良い関係が築き上げられてきたまさにその時に、浮気をして関係を混乱させてしまうなどです。

共依存症者は、この「アッパーリミット」が低いと考えられるそうです。
その理由としては、自己肯定感が低いために、自分が幸せであることが信じられなかったり、
許せなかったり、慣れ親しんできた環境で幸福感があまり得られてこなかったこと
などが挙げられます。
そのため、幸福な恋愛を自ら避けたり、自らの手で壊してしまうことが起こるのだそうです。

更に小説や演劇、映画やドラマ、歌詞などをはじめとして、社会的・文化的に
この図式が私たちの頭の中に強く入ってきたり、特に女性に対して
「どんなに虐げられてもつ尽くし抜くのが女の美徳」
という価値観も、実はいまだに根強く残っているのだそうです。
ですから、恋愛で不幸のどん底に陥っている自分に、自己陶酔してしまい、
そこから抜け出せない「いいわけ」にしてしまうこともあるそうです。


さて、ご紹介した3つのキーワードについて、みなさまそれぞれに
いろんな思いや感じるところがあるかと思います。
認めたくない気持ちや、よくわからないという思い、または変な汗タラタラな方も
いらっしゃるかもしれませんね。

私も、このトピックを書きながら過去を振り返ってみると、
「はい!そうでした」
「はい!そのとおりでございます」
という思いです(苦笑)
それとともに、これまで自分の抱えている問題をセラピーやワークなどで取り扱ったり
トラウマを癒してきたことで、以前に比べてかなり自分を大切にする選択も
できるようになったし、成長や変化を感じることもできるので、
これからの恋愛に対しては今までの恋愛と違うパターンになるだろうという思いもあり、
これからの出会いや恋愛がとても楽しみでもあります。


これら3つのキーワードをもとに、自ら不幸を受け入れていないか
「自分にはこれがふさわしい」と諦めていないか、我慢していないか
点検してみるのもいいかもしれませんね。


最後に著者の言葉の一部を抜粋します。


自分に問いかけてほしい。なぜ自分は幸せになってはいけないのか、
考えてみてほしい。
あなたは幸せになっていいのだ。
「私は幸せになっていい」と自分に何度も言い聞かせよう。
自分が幸せになることを、自分が許してあげられるようになるまで何度でも。
あなたは幸せになっていいのだ。


Posted by fccn at 14時56分   Comment ( 3 )

コメント

さおりさん、このトピック提供ありがとうございます。

ある実業家で色いろな講演をされていらっしゃる方がいるのですが、その方によると

「人は幸せになるために産まれてくる」

そして、

「幸せになることは、権利ではなく義務」

なんだそうです。

時々この言葉を思い出しながら日常を送っています。

2010年02月10日 08時36分 [削除]

私の旦那もアルコールを毎日飲んでいます。結婚前にお付き合いしていた何人かの人たちもお酒やパチンコなどが趣味だったように思います。この記事を見てふと考えてみたのですが、私の母親もアルコールの問題がありました。当時は問題とは思っていませんでしたし、現在も私の周りにお酒を飲む人が普通に存在しているので、そのことを問題と捉える視点が無いのかもしれません。でも再挑戦とか読むと、そうなのかもしれないと背筋がゾクっとします。実際私は別の人からプロポーズされていてその人は皆が進める様な人、女性を幸せにしてくれるような優しい方でした。私はどうも居心地が悪くて今の旦那のほうが自分には合っている様な感じがして選んだように感じました。育った家もお酒での影響がたくさんあったように思いますし混乱していました。私はACという概念に出会ってから色々な本を読んだりしていて、まだカウンセリングを受ける勇気が持てずにいる一人です。受けてしまったら今の夫との生活が壊れる様な気がして何だか怖かったり・・これが私にあった生活という感じが抜けません。でも・・・自分を知りたいなと最近思うようになっています。FCCNのこの場を訪れるようになってから怖さと知りたい気持ちが湧いてきているというところかな・・・。ありがとうございました。

2010年02月10日 08時57分 [削除]

マネージャーの石山です。
コメントありがとうございました。
大切に読ませていただきました。


実業家の言葉を教えて下さった方へ

ある実業家の方は
「人は幸せになるために産まれてくる」
「幸せになることは、権利ではなく義務」
とおっしゃっているんですね。

とても心に残る言葉ですね。
その言葉を時々思い出しながら、日常を送っていらっしゃるんですね。

私も、西尾先生のアファメーションや、尊敬する人の言葉から、力をもらったり
気持ちの切り替えに役立てたりしています。

自分にとって、ポジティブなパワーになったり、勇気になったり、力になる
言葉を持っていると心強いですよね。



怖さと知りたい気持ちが沸いている方へ

今回の記事を読んでくださって、いろいろな気付きがあったようですね。
今まで問題視していなかったことも、記事を読んだことで「そうなのかもしれない」
と背中がゾクっとする感覚付きで気付きや思い当たる節があったんですね。

私もこの本を読んで、
「ひょえぇぇ なんか自分のことがたくさん書いてあるぅぅぅ(><)」
と変な汗タラタラ状態だったので、背中がゾクっという
のも理解できますよ。

今までの恋愛を振り返ってみると、みなが進めるようなやさしい方だと、居心地の悪さを感じていたことや、育ってきた環境の影響にも目を向けて、振り返ってみることができたんですね。

とても大きな気付きや振り返りをされたようですね。

またACという概念を知って、いろいろな本を読まれていらっしゃるんですね。
本から学ぶことや気付くこともたくさんありますよね。

今はカウンセリングを受けることによって、今の生活が壊れたらどうしようという不安や恐怖がおありなんですね。
そのような不安や恐怖があるのは、当然のことだと思いますよ。
その反面、自分を知りたい気持ちも沸いていることもキャッチできているんですね。
自分の気持ちや感情をキャッチできることは、素晴らしいことだと思います。

カウンセリングを受けることを選択するのは、勇気がいることですし、自分の不安や恐怖も、また自分を知りたいと思う気持ちも自分の大切な感情や感覚ですから、それを大切にして、自分の納得できる選択ができると良いですね。

この場が、訪れる人の様々な気付きや学びに役立っていると感じ、とてもうれしく思いました。


ありがとうございました。

ishiyama 2010年02月12日 01時36分 [削除]

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